ハンガリーのピアノ教育
 ハンガリーでは、ソルフェージュ教育の上に、子どもが自分の力で楽譜を読み、音楽を理解し、想像し、創造する自立した子どもの学びを尊重します。教師の役割は、それを助けるだけなのです。
 最初のレッスンはとても大切です。何故ならば、その後の子どもの学びを決定してしまうからです。子どもを、最初から機能和声の狭い音楽の世界の閉じこめないようにしましょう。初めに狭い世界からスタートしてしまうと、後から現代的な音響など、広い世界に拡げるのはとても難しいのです。
 このような訳で、ハンガリーでは、最初のレッスンから、現代音楽を扱います。子どもは、最初のレッスンから、ピアノの全鍵盤の上をグリッサンドや手のひら弾きで自由に飛び回るのです。
 このようなハンガリーのピアノ教育の教科書が「ピアノの学校教育」から50年ぶりに出版されました。それがテーケ・マリアンヌによる「新ピアノの学校教育」(ハンガリー語版原著全5巻、日本語版全3巻)です。
参考文献
◇「テーケ・マリアンヌ新ピアノの学校」降矢美彌子翻訳・解説 
                        1巻、11巻、別巻 全音楽譜出版社
◇テーケ・マリンアンヌ ピアノ教授法セミナー 
   ーピアノ教育の21世紀を拓くハンガリーのピアノ教育ー降矢美彌子執筆
   (「レッスンの友」レッスンの友社1997年9月号より1998年5月まで連載)
◇論文「日本のピアノ教育の現状と未来
     ーハンガリーのピアノカリキュラムの分析からの考察ー」
 日本のピアノ教育を考えるためにハンガリーのピアノ教育についカリキュラムを全訳し、ハンガリーのピアノ教育の特徴を分析する論文を書きました。まず、アンケート調査から日本のピアノ教育の現状を分析し、その上で、ハンガリーのピアノ教育について、正確に知るために、器楽学校のピアノのカリキュラムを、現行・新カリキュラムの両方を全訳しました。この仕事は、宮城教育大学の大学院生だった小野摂子との共同の仕事でした。その上で、我が国のピアノ教育の学ぶべき点を明らかにいたしました。どうぞお読み下さい。ハンガリーのピアノ教育のカリキュラムの全訳は非常に興味深いと思われます。
「日本のピアノ教育の現状と未来ーハンガリーのピアノカリキュラムの分析からの考察ー」

      『宮城教育大学紀要』第35巻 pp.101〜140 2001年3月